リー・ムユン

山を背負う子たち


リー・ムユンは、コロナ禍において友人たちに起きた出来事を元に、ドキュメンタリー風の映像作品を制作した。リーと同様に故郷の中国を離れて日本とアメリカに留学している4組の中国人学生に、日々の様子をビデオで記録してもらい、それを素材として編集したのである。この遠隔操作の手法そのものが、コロナ禍という環境の特徴を示している。
「隔離・時差・結婚・滞留」というテーマに沿ってエピソードが紹介される。中国のホテルで検疫のために自主隔離する者、これまで踏み切ることができなかった結婚を決めたカップル。帰国できずにアメリカに留まることになった男性は、通りすがりの人に「国に帰れ、クソ中国人!」と罵声を浴びせられた出来事を語る。
グローバルになったはずの世界に突如として現れるローカルな規制や人々の偏見。アウトサイダーの拠り所のない心細さとともに、若者特有の楽観も伝わってきて、ほのかな希望が感じられる。